小学1年生

小学1年生の勉強、家ではどう見守る? 学校で学ぶことと、家でできる関わり方

ひらがな、たし算、とけい……1年生の1年間には、はじめてのことがたくさんあります。学校は何を大事にして教えているのか、家ではどんな関わり方があるのかを、わが家のために国の資料で調べました。ほかのおうちでも役に立つかもしれないと思い、おすそわけします。

このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
学習指導要領など、国や学校が公開している資料(出典はページの下にあります)をもとにしています。勉強の進み方や学び方で気になることがあるときは、担任の先生にご相談ください。


毎日の宿題タイム、おつかれさまです

夕方、やっと家に帰ってきて、晩ごはんのしたくをしながら「宿題やった?」。
お鍋を見ながら音読を聞いて、プリントに丸をつけて、連絡帳に目を通して……。気がつくと、もう寝る時間。1年生のおうちの夕方は、本当にあわただしいですよね。

「この教え方で合っているのかな」と思うことも、あると思います。
わが家も共働きで、毎日つきっきりで教える時間はなかなか取れません。夫婦で教え方が少しちがって、「それでいいのかな」と迷うこともあります。自分が子どものころに習ったやり方と、いまの学校のやり方がちがうこともあります。

だから、学校がどんなことを大事にして1年生に教えているのかを、国の資料(学習指導要領)で調べてみました。
知っておくと、「家で全部見なきゃ」と気負わなくていい所が、少し見えてくるかもしれません。


学校がめざしていること ―「生きる力」と3つの柱

学習指導要領は、全国どこの学校でも一定の内容を学べるように、国(文部科学省)が決めている「教えることの基準」です。いまの小学校のものは2017年(平成29年)に示され、2020年度から全面的に使われています。

学習指導要領では、学校は子どもに「生きる力」を育てることをめざす、とされています。育てたい力は、次の3つの柱で整理されています。

  • 知識及び技能 … 知っていること、できること(たとえば、字が書ける、計算ができる)
  • 思考力・判断力・表現力等 … 考えて、決めて、伝える力(たとえば、どうしてそう思ったかを話せる)
  • 学びに向かう力・人間性等 … 学ぼうとする気持ちや、人と関わる力(たとえば、「やってみたい」と思える)

この3つを、かたよりなく育てることになっています。
家で目に入りやすいのは、どうしても丸つけの結果ですよね。でも学校は、「考えてみようとしたか」「やってみたいと思えたか」も同じくらい大切にしています。


入学したての1年生を、学校はどう迎えているか

4月、「45分もじっと座っていられるかな」と心配になった方もいると思います。

学習指導要領には、入学したての時期は、幼稚園や保育所などで遊びや生活を通して育ってきたことが、小学校の学習にうまくつながるように、生活科を中心にした指導や、時間割の組み方をくふうすることが書かれています。これをスタートカリキュラムとよびます。

文部科学省と国立教育政策研究所の「スタートカリキュラム スタートブック」では、次のような考え方が示されています。

  • 1年生は「ゼロからのスタート」ではない。園で育ってきた力を土台にする
  • 入学したての子は、期待と同じくらい不安ももっている。まずは安心して学校生活を始められるようにする
  • 長い時間じっと座っているのは難しく、体全体を使って学ぶ時期。たとえば15分や20分ほどの短い区切りで時間割を組んだり、体を動かす活動を入れたりする

学校のほうも、子どもに合わせて少しずつ段階をふんでくれている。それを知るだけでも、少し安心できる気がします。
子どもたちも、こうした中で、少しずつ学校に慣れていくのだと思います。


1年生の1年間を、時間割で見ると

1年生の授業は、1コマ45分。1年間で34週以上の計画で組まれます。
国が示している、1年生の1年間の授業時間の目安(標準授業時数)は次のとおりです。

教科など 1年間のコマ数(目安)
国語 306
算数 136
生活 102
体育 102
音楽 68
図画工作 68
道徳 34
特別活動(学級活動・行事など) 34
合計 850

いちばん多いのは国語です。1年生には、社会・理科・英語の時間はまだありません。そのかわりに、1・2年生だけの教科として「生活科」があります。
(実際の時間割は、この目安をもとに学校ごとにつくられます)


教科ごとに、1年生が学ぶこと

ことば(国語)

国語は、1・2年生の2年間でまとめて内容が示されています。おもなものは次のとおりです。

  • ひらがな・カタカナを読んで書く。カタカナで書くことばの種類を知る
  • のばす音、小さい「ゃ・ゅ・ょ」、小さい「っ」、「ん」の書き表し方
  • 「は」「へ」「を」の使い方、「。」「、」や、かぎ(「 」)の使い方
  • 正しい姿勢とえんぴつの持ち方で、書き順にそって、ていねいに書く
  • 昔話の読み聞かせを聞いたり、ことば遊びをしたりして、ことばに親しむ

漢字は、1年生で80字です。学習指導要領では、1年生はこの80字を読めるようにし、少しずつ書けるようにして、文の中で使っていく、とされています。80字を確実に書いて使えるようにするのは、2年生の内容です。
1年生のうちに全部をすらすら書けなくても、学校の計画の上でも、2年間かけて身につけていく流れになっています。

かず(算数)

1年生の算数で学ぶ、おもな内容です。

  • 数: ものを数える、数の大小や順番、「10のまとまり」で数を見る、2けたの数の表し方、かんたんな3けたの数
  • 計算: たし算・ひき算の意味。1けた+1けたのたし算と、そのぎゃくのひき算を、確実にできるようにする。9+4のようなくり上がりや、13−4のようなくり下がりも、ここに入ります
  • 形: 身のまわりのものの形、前・後ろ・右・左・上・下など位置のことば
  • 大きさくらべ: 長さ・広さ・かさを、じかにくらべたり、ほかのもの「いくつ分」でくらべたりする
  • とけい: ふだんの生活の中で時刻を読む。1日・1時間・1分の関係は2年生、秒は3年生で学びます
  • グラフのもと: ものの数を、かんたんな絵や図に表したり読んだりする

1年生の算数の中心は「1けたどうしのたし算と、そのぎゃくのひき算」です。くり上がり・くり下がりは、その中でも大きな山のひとつ。ここで立ち止まるのは、ちゃんと考えている証拠でもあると思います。

せいかつ(生活科)

生活科は、体験や活動を通して、自分と、まわりの人・地域・自然との関わりに気づいていく教科です。内容は9つあり、たとえば次のようなことをします。

  • 学校や通学路と、その安全を守ってくれる人を知る
  • 家で自分にできることを考えて、自分の役割を果たす
  • 季節の変化にふれたり、生きものや植物を育てたりする
  • 自分の成長をふり返り、支えてくれた人に感謝する

家での小さなお手伝いも、生活科の学びとちゃんとつながっています。

このほか、音楽・図画工作・体育、道徳、学級の話し合いや行事などの特別活動があります。


家でできる関わり方

文部科学省の、先生向けの解説には、1・2年生の子は体を動かすことと考えることが一体で、実際にやってみて感じたことをもとに考えを深めていく、と書かれています。指やおはじき、10円玉など、手で動かせるものがあると、すっと入っていく子もいるのかもしれません。
(1年生の心や体の育ちについては「成長の目安」の記事にまとめています)

ここからは、資料を読みながら「これなら家でもできそう」と思ったことです。
全部やる必要はまったくありませんし、合うものは、家庭によってちがいます。楽できるところは、どんどん楽していいと思います。

生活の中に、かず・とけい・ことばを少しまぜる

  • とけい: 「長い針が6のところに来たら出発ね」「8時はすぎたけど、まだ9時じゃないね」。学習指導要領の解説でも、時刻を生活と結びつけることが大切とされています
  • かず: おやつを分ける、階段を数える、10円玉で「10のまとまり」をつくってみる
  • ことば: 看板や駅の名前を読む、しりとり、寝る前の読み聞かせ
  • お手伝い: 洗たくものをたたむ、くつをそろえる。生活科の「家で自分にできること」とつながっています

わざわざ机に向かう時間をつくらなくても、毎日の中にもう、学びの入口はたくさんあります。

学校の話を聞く

国語では「話すこと・聞くこと」も大事な内容です。(学校の話をなかなかしてくれないときのことは、「よくある悩み」の記事にまとめています)

家庭の形によって、やり方はいろいろ

  • たとえば、共働きで平日の夕方はほとんど時間がない家庭もあるかもしれません。平日は宿題だけ、ほかのことは週末に。家事の合間に歌を流しておくだけの日があってもいいと思います
  • たとえば、ひとり親で、夕方は何もかも一人でこなしている家庭もあるかもしれません。丸つけは次の朝、音読はお風呂で、と時間や場所をずらすやり方もあります
  • たとえば、きょうだいが多い家庭では、上の子が「先生役」になって、1年生の勉強が家族の遊びになることもありそうです
  • たとえば、祖父母に宿題を見てもらう家庭もあるかもしれません。教え方が昔とちがうこともあるので、教科書やノートを一緒に見ておくと安心かもしれません
  • たとえば、転勤で引っ越してきたばかりの家庭では、前の地域とやり方がちがって戸惑うこともあるかもしれません。わからないことは、担任の先生に聞いてよいと思います

教え方に迷ったら、学校のやり方を見てみる

迷ったときは、教科書やノートを見ると、学校でどう教えているかがわかります。それでもわからなければ、担任の先生に「学校ではどう教えていますか」と聞いてみるのも一つの方法です。


勉強の見方 ― 点数より「どこで止まっているか」

×は、「どこで止まっているか」のヒント

まちがえた問題は、どこで止まっているかを教えてくれるヒントでもあります。
「どうやって考えたの?」と聞いてみると、子どもなりの考え方が見えてくることがあります。3つの柱の「考えて、伝える力」を、家で育てている時間とも言えそうです。

字の形や、ほかの子とのちがい

とめ・はねなど、字の形が気になることもありますよね。1年生の字は、1年かけて少しずつ整っていくものです。(字や宿題の悩みは「よくある悩み」の記事で)
ほかの子とくらべてしまう日もあると思います。気づいたら、昨日のわが子とくらべてみる、くらいでいいのかもしれません。

家での勉強時間、ほかの家庭は?

「よその家は、もっと家で勉強させているのでは」と、気になることもありますよね。
ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所の調査(2025年、小学1〜3年生は保護者が回答)では、宿題以外の家庭学習は「しない」という子が42.4%いました。家庭によって大きくちがいますが、家で特別な勉強をしていない家庭も、めずらしくないようです。

気になることが続くときは

家での勉強は気楽に構えていていいのですが、ここは別です。つまずきが長く続く、勉強をとてもいやがる、ようすがいつもとちがう、と感じたら、ひとりで抱えずに、担任の先生に相談してみてください。「少し相談したいことがあります」と連絡帳に書くだけでも大丈夫です。
(学び方や発達のことで気になるときの相談の仕方は「発達で気をつけたいこと」の記事に、相談先の一覧は「相談先と使える制度」の記事にまとめています)


マルスタディで使えるもの

すきま時間や、「ちょっとやってみようか」という日に。


おわりに

学習指導要領の話を長々と書いてしまいましたが、私自身、夫婦で教え方に迷いながら、手さぐりで子どもと向き合っている親の一人です。
学校がどんなことを大事にしているのかを知ると、「家では、学校と同じことを全部しなくてもいいのかもしれない」と、少し肩の力がぬける気がします。

1年生の1年間は、子どもにとっても、親にとっても、はじめてのことばかり。うまくいかない日があって当たり前です。はじめて読めた字、はじめて解けたたし算。そんな「はじめて」にたくさん出会えるのも、1年生ならではの楽しさだと思います。
くたびれる前に、家族やまわりに頼ったりして、早めにひと休みできたらと思います(手のぬきどころは「親の心の持ちよう」の記事にも書いています)。
今日も、がんばっているお子さんと、そのとなりで走り回っているあなたが、少しでもほっとできますように。

このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
学習指導要領など、国や学校が公開している資料(下の「出典」)をもとにしています。お子さんの勉強や様子で気になることがあるときは、担任の先生にご相談ください。ほかの相談先は「相談先と使える制度」の記事にまとめています。


出典

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