「いま、なんじ?」――時計を見せると、お子さんが固まる。
「3時!」と元気に答えるけど、長針が真上を指していなくても言ってしまう。
あるいは、長針と短針を混同して、「12時」を「6時」と読んでしまう――。
小学1年生の「なんじ・なんじはん」。
大人には簡単すぎて、なぜ子どもがつまずくのか分からない単元です。
でも、時計には大人が忘れた"特殊なルール"が3つも詰まっているのです。
時計には、子どもにとって謎が3つあります。
大人は経験で当たり前に処理していますが、1年生はこのルールを一つずつ言葉で覚える必要があるのです。
そして時計の難しさは、2年生の「時刻と時間」でさらに広がります(vol05参照)。1年生のうちに「読み方の基本」をしっかり固めることが、後々の差を生みます。
いきなり両方の針を見せると混乱します。まずは長針を「12」に固定した時計で、短針だけを動かして「なんじ?」と聞く練習を。アナログの練習用おもちゃ時計を1つ用意できると最強です。100均でも買えます。
長針が真上(12)なら「ちょうど○時」、真下(6)なら「○時はん」。これを呪文のように、毎日朝ごはん前に声で確認。「いま7じちょうどだね」「7じはんになったら出かけるよ」――生活の中で言葉として刷り込みます。
「7じに起きる」「8じはんに学校」「3じにおやつ」――生活の節目に時刻をひもづけると、時計を読む動機が生まれます。時計を見て自分で行動できたら、たくさん褒めてあげてください。
家がデジタル時計ばかりだと、アナログ時計を読む機会が激減します。学校のテストはアナログ。家にも1つはアナログ時計を置きましょう。子ども部屋やリビングなど、目につく場所に。
時計は大人が忘れた"複雑なルール"の塊です。子が分からないのは当然のことなんです。「むずかしいよね、一緒に見ようか」と言える親が、お子さんを救います。
「ママー、もう8じはんだよ!」と自分から教えてくれる。
テレビ番組の時間を、自分で時計と見比べる。
―― ここまで来たら、「○時○分」(5分・10分単位)の読み方に進んでOKです。
「なんじ・なんじはん」が読めると、子どもの世界はぐっと広がります。
「あと10分でおやつ」「7時までに宿題」――時間を自分で管理できる子は、生活全般がしっかりしてきます。