「13-7」――小学1年生の2学期、ここで多くの子どもが手を止めます。
「3から7は引けないよ…」とつぶやいて固まる、お子さんを見たことはありませんか?
これは決して理解力の問題ではありません。
大人にとって当たり前の「10を崩して借りてくる」発想は、1年生の子どもにとって、人生で初めて出会う"算数の大きな壁"なのです。
子どもは「13」を「1と3」として見ています。
だから「3から7を引く」と考えて、引けないと固まる。
ここで必要なのが、「13は "10と3" でできている」という見方です。
10を崩して7を引き、残った3と元々の3を合わせて答え6を出す――この手順を「減加法(げんかほう)」と呼びます。
この見方が育つには、vol21でやった「いくつといくつ」の感覚がベースになります。10を分けられる子は、繰り下がりもスッと入る。順序があるんです。
10円玉1枚と1円玉3枚で「13円」を作る。「7円ちょうだい」と頼むと、子は10円玉を崩さないと払えないことに気づきます。10をくずす経験を、お金やブロックで何度も体験させてください。プリントより圧倒的に効きます。
教科書で出てくる「さくらんぼ計算」(13を10と3に分ける図)を、親も一緒に書いてあげる。「13は10と3だね」と声に出しながら。書けない子も、親が書く姿を見せるだけで、考え方の型が伝わります。
繰り下がりが苦手な子は、「10の分解」が固まっていないことが多いです。「9と1で10」「8と2で10」を、お風呂や寝る前に5回唱えるだけ。土台が整えば、繰り下がりはスッと解けるようになります。
「13-7は6だよ」と教えても、次の問題で同じくつまずきます。大事なのは答えではなく、「10を崩す」考え方。プロセスを飛ばして暗記させると、2年生の筆算で必ず崩れます。
疲れたお子さんを叱って終わると、「算数は嫌い」という気持ちが残ります。15分やって進まなければ、その日はやめてOK。翌日や週末に、おはじきや10円玉で再チャレンジしましょう。
「13は10と3だから、10から7引いて、3足して6!」
―― お子さんが自分の言葉で手順を説明できたら、繰り下がりの見方が育った証拠です。
ここまで来れば、2年生で出会う2桁の筆算もスムーズに進みます。
「10を崩す」感覚は、その後すべての引き算で使う基本動作です。