小学1年生

小学1年生の親の不安と疲れ|悩みながらがんばっているのは、あなただけではありません

1年生の親になって、思っていたより疲れる。自分だけうまくできていない気がする——そんな日のための記事です。
わが子のために調べた国の調査の数字と、いろいろな家庭の場面と、書いている私の本音から、「みんな悩みながら過ごしている」ということを集めてみました。

このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
国や研究所などが公開している調査や資料(出典はページの下にあります)をもとにしています。つらい気持ちが続くときは、ひとりで抱えずに、お住まいの市区町村の「こども家庭センター」や、ページの後半にある相談先にご相談ください。


今日も、おつかれさまです

朝は「早く食べて」「帽子は?」「名札つけた?」を言い続けて、玄関で見送ったときには、もうひと仕事終えた気分。
帰ってきたら宿題、音読、連絡帳、明日の準備、プリントの山。そのあいだに晩ごはんとお風呂。
夜、寝顔を見ながら「今日、ちゃんと話を聞いてあげられたかな」と、ふと思う。そんな日もあるのではないでしょうか。

新しい生活に慣れないのは、子どもだけではありません。
この記事は、うまくやるための記事ではなく、少し肩の力をぬいてもらうための記事です。


数字で見ると、悩むのは「ふつうのこと」

「こんなに悩んでいるのは、うちくらいかも」と感じたときのために、調査の数字をいくつか置いておきます。

1年生の親の、4人に3人

厚生労働省が、同じ子どもたちを生まれたときから追いかけている調査があります。2010年5月に生まれた子どもたちが7歳(1年生)になった2017年に、その親に聞くと、75.2%が「子育てで負担に思うことや悩みがある」と答えていました。
4人に3人です。中身は、こんなものが多く選ばれていました(いくつでも選べる形)。

  • 子育ての出費がかさむ 42.0%
  • 自分の自由な時間が持てない 31.7%
  • 子育てによる身体の疲れが大きい 26.6%
  • 気持ちに余裕をもって子どもに接することができない 25.0%
  • 子どもと過ごす時間が十分に作れない 24.2%
  • 仕事や家事が十分にできない 20.5%

「余裕をもって子どもに接することができない」は、4人に1人。イライラしてしまった自分を責めている人も、同じように感じている人がこれだけいる、ということを知っておいてもらえたらと思います。

同じ調査で、2001年生まれの子が1年生だったころの親とくらべると、いちばんふえていたのは「身体の疲れが大きい」(9.4ポイント増)、次が「自由な時間が持てない」(6.2ポイント増)でした。
疲れを感じるのは、気持ちが弱いからではなく、いまの子育ての毎日がそれだけ忙しい、ということなのかもしれません。

お父さんも、お母さんも

文部科学省が委託して行った別の調査(2020年・0〜18歳の子をもつ父母3,421人)では、子育ての悩みや不安を「いつも感じる」「たまに感じる」と答えた人は、母親で76.4%、父親で61.8%でした。ひとり親と子どもの世帯では77.1%です。
いちばん下の子が7〜9歳の親だけを見ても、「いつも感じる」13.2%と「たまに感じる」58.1%で、あわせて7割ほどになります。

悩みと、よろこびは、一緒にある

最初の厚生労働省の調査では、同じ1年生の親の99.4%が「子どもがいてよかったと思うことがある」とも答えています。
いちばん多かったのは「子どもの成長によろこびを感じる」89.0%、次が「子どもとのふれあいが楽しい」78.7%でした。

悩みがあることと、子どもをかわいいと思うことは、ちゃんと同時に存在しているのだと思います。悩んでいるのは、それだけ子どものことを考えているから、とも言えそうです。


いろいろな家庭の、それぞれの悩み方

厚生労働省の同じ調査では、1年生の時点で仕事をしている母親は67.2%でした。働きながらの子育ても、家で過ごす時間の長い子育ても、どちらもめずらしくありません。
そして、どの形にも、その形ならではの悩みがあるようです。ここからは、「たとえば」の話です。

  • たとえば、共働きの家庭。 学童のお迎えから、晩ごはん、宿題、お風呂、寝かしつけまでが、夕方の短い時間にぎゅっとつまってしまう。連絡帳をじっくり見られるのは、子どもが寝たあと——そんな家庭もあるかもしれません。
  • たとえば、ひとり親の家庭。 子どもが熱を出した日の仕事の調整も、宿題を見るのも、相談するのも、つい一人で抱えこんでしまう。そんな家庭もあるかもしれません。
  • たとえば、家で過ごす時間が長い親。 ずっとそばで見ているからこそ、字の形や宿題の進み方が気になって、口を出しすぎたかなと夜に反省する。「時間があっていいね」と言われて、しんどいと言いにくい。そんなこともあるかもしれません。
  • たとえば、きょうだいが多い家庭。 下の子のお世話で手がいっぱいで、1年生の話をゆっくり聞けない。上の子が1年生だったころとくらべてしまう。そんな家庭もあるかもしれません。
  • たとえば、祖父母と同居している家庭。 助けてもらえる心強さがある一方で、しつけや勉強の考え方がちがって板ばさみになる。そんな家庭もあるかもしれません。厚生労働省の調査でも、1年生の親の9.4%が「しつけのしかたが家庭内で一致していない」ことを負担や悩みにあげています。
  • たとえば、転勤で引っこしてきた家庭。 知り合いのいない土地で入学をむかえて、学校のきまりも、相談できる相手も、まだ分からない。そんな家庭もあるかもしれません。
  • たとえば、平日はほとんど子どもと話せないお父さん・お母さん。 週末になって、どう関わればいいのか分からず迷う。そんなこともあるかもしれません。

形はちがっても、どの家庭も、それぞれの事情の中で迷いながら、毎日をやりくりしているのだと思います。


書いている私のこと

このページを書いている私の家も、共働きです。毎日つきっきりで子どもに勉強を教える時間は、なかなか取れません。
教え方も、夫婦で迷うことがあります。自分が子どものころに習ったやり方と、いまの学校のやり方がちがうこともあります。

そこで、わが子のために学習の歌を作り始めました。動画は、親が手をはなせないときの心強い味方です。子どもがその歌を口ずさんでいたとき、楽しいから覚えている、勉強の入り口はそれでいいのかもしれない、と思えました。いまも、親がそばで教えられないすきま時間を思い浮かべながら、歌を作っています。

このコーナーができたわけは、入口の「小1のページ」に書いています。

えらそうなことは、とても言えません。ただ、私自身は「子どもは、親が思うよりずっと、自分の力で育っていく」と思っています。だから、親が全部を背負って、思いつめなくてもいい。この記事も、半分は自分に言い聞かせながら書いています。


自分を責めそうになったときに

親も「1年生」です

学校のことも、宿題の見方も、持ち物のそろえ方も、1年生の親にとってははじめてのことばかりです。
うまくいかない日があるのは、がんばっていないからではありません。はじめてのことを、はじめてやっているからだと思います。

学校も、いきなり全部を求めてはいません

文部科学省の資料には、入学したての時期は、園で育ってきたことを土台にした「ゼロからのスタートではない」時期と考え、子どもが安心して学校生活を始められるように工夫する、とあります。学校の側も、少しずつ慣れていくことを前提にしています。
1年生の育ち方の目安は「成長の目安」の記事に、学校が大事にしていることは「関わり方と学びの指針」の記事にまとめています。

くらべる相手は、昨日のわが子

字がきれいな子、計算が速い子、しっかりしている子。どうしても目に入ってしまいますよね。くらべてしまうのは自然なことで、そんな自分を責めなくていいと思います。
気づいたときに、「4月のこの子」と「いまのこの子」をくらべてみる。それくらいで、十分なのかもしれません。

言いすぎた日は、やり直せばいい

つい大きな声を出してしまった日。あとから「ごめんね、さっきは言いすぎた」と伝えるだけでも、親子の空気は少しやわらぎます。
完璧な親でいることより、やり直せる親でいることのほうが、ずっと続けやすいのではないでしょうか。


手をぬいてよい所

手をぬくのは、子どもを大事にしていないからではありません。楽をしても、いいんです。
さきほどの調査でも、1年生の親の26.6%が「身体の疲れが大きい」と答えていました。疲れるのは、めずらしいことではありません。
親が無理をしすぎると、気持ちも体ももたなくなってしまいます。すり減ってしまってからでは、元にもどるのにも時間がかかると思います。だから、くたびれきる前に、早めに手をぬく、休む、頼る。それも大事な子育てのやりくりです。
どこをぬくかは家庭によってちがいますが、たとえばこんなところです。

  • 晩ごはん: お惣菜や冷凍食品の日も、外で食べる日も、あっていいと思います
  • 丸つけや音読の聞き方: 毎回ていねいでなくても大丈夫です。家事をしながら音読を聞く日があってもいいと思います
  • 家での勉強: ベネッセ教育総合研究所と東京大学の調査(2025年)では、小学1〜3年生で、宿題以外の家庭学習を「しない」子は42.4%でした。宿題のほかに毎日なにか、と思いつめなくてもいいのかもしれません
  • 宿題が終わらない日: どうしても無理な日は、連絡帳で先生に一言伝えてみる。学校によって考え方はちがうので、まずは相談してみてください
  • すきま時間: 親がそばで教えられない時間は、うたでまなぶの歌を流しておく、という使い方もあります

いちばん大事なのは、子どもが「おうちに帰ると、ほっとする」ことだと思います。それは、完璧な親でなくてもつくれます。


「できたこと」の数え方

できていないことは自然と目に入るのに、できたことは見落としがちです。ときどき、意識して数えてみるのはどうでしょう。

子どもの「できた」
寝る前に、ひとつだけ思い出してみる。「時間割を自分でそろえた」「宿題を自分から始めた」「笑って帰ってきた」。小さなことで十分です。

親の「できた」
親の分も数えていいと思います。「今日も送り出せた」「晩ごはんを出せた」「5分だけ話を聞けた」。それも、ちゃんとした一日分です。

ときどき、ふり返る
4月に書いた名前と、いまの名前の字を並べてみる。4月の写真といまの写真を見くらべてみる。毎日の中では気づかない変化が、見えることがあります。
1年生の親の89.0%が「子どもの成長によろこびを感じる」と答えていたのは、きっとこういう瞬間なのだと思います。


しんどさが続くときは

「楽していい」「思いつめなくていい」は、気持ちの持ち方の話です。それとは別に、眠れない日が続く、何をしても楽しく感じられない、子どもにきつく当たってしまう日が続く——そんなサインがあるときは、がまんしすぎずに、早めにだれかに話してみてください。

文部科学省が委託した調査(2020年)では、子育てで心のよりどころになっている人として、母親は「配偶者」61.2%、「自分の父母」59.6%、「友人・知人」47.1%をあげていました。いっぽうで「特にいない」と答えた人も、母親で8.1%、父親で11.2%いました。
身近に話せる人がいないのは、めずらしいことではありません。そんなときのための窓口があります。

  • お住まいの市区町村の「こども家庭センター」: 子育て中の家庭の相談を受ける、市区町村の窓口です。2026年4月の時点で、85.9%の市区町村に置かれています。まだ置かれていない市区町村では、子育ての担当の窓口に問い合わせてみてください
  • 親子のための相談LINE(こども家庭庁): LINEで子育てや親子関係の悩みを相談できます。名前を出さず、ニックネームでも相談できます。受付時間は地域によってちがいます
  • 児童相談所 相談専用ダイヤル 0120-189-783(こども家庭庁・無料): 子育ての悩みなど。住んでいる地域の児童相談所につながります。一部のIP電話からはつながりません
  • こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(厚生労働省): 親自身が、気持ちがつらいときに。かけた地域の公的な相談窓口につながります。受付時間は地域によってちがい、通話料がかかります。050で始まるIP電話からはつながりません

ほかの相談先は「相談先と使える制度」の記事にまとめています。


おわりに

この記事を読んでくださったあなたも、きっと今日まで、迷いながらやってきた一人だと思います。
悩むのは、ちゃんと向き合っているから。うまくいかない日があっても、それで親失格になるわけではありません。

だから親は、楽できるところは楽をして、つかれたら早めに休んで、頼って。そのくらいで、ちょうどいいのだと思います。
大変だけど、1年生の毎日を、一緒に楽しんでいけたらいいなと思います。今日も子どもと向き合っているみなさんが、少しでも笑顔で過ごせますように。


このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
国や研究所などが公開している調査や資料(下の「出典」)をもとにしています。つらい気持ちが続くときや、お子さんのことで気になることがあるときは、学校の先生や、お住まいの市区町村の「こども家庭センター」などの窓口、上にある相談先にご相談ください。

番号や受付時間は変わることがあります。かける前に公式ページでご確認ください。

出典

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