小学1年生

「小1の壁」とは? 放課後・学童・仕事との両立 ― それぞれの家庭のやり方

保育園や幼稚園のころとくらべて、帰る時間も、預け先も、親の出番も変わる1年生。「どうやって毎日を回そう」と悩むのは、あなたの家だけではありません。使えるしくみと、いろいろな家庭の形ごとのやり方をまとめました。

このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
国や学校などが公開している資料をもとにしています(出典はページのいちばん下にあります)。学童や放課後のことは、お住まいの市区町村の窓口に、働き方の制度は勤め先の人事の担当に、子育ての悩みは市区町村のこども家庭センターなどに相談してみてください。


春からの毎日、本当におつかれさまです

仕事を終えて、学童のお迎えに急ぐ夕方。家に着いたら、連絡帳とプリントの山。体操服に名前をつけて、明日の持ち物をそろえて、気がつけばもう夜。
夏休みが近づくと、「お弁当、毎日か……」と、カレンダーをながめてしまう。そんな日もありますよね。

わが家も共働きで、毎日つきっきりで子どもに教える時間は、なかなか取れません。このページは、わが家の放課後や働き方を考えるために調べたことを、おすそわけするつもりでまとめたものです。

「こうすればうまくいく」という答えを書くページではありません。完ぺきに回そうとしなくて大丈夫、と自分にも言い聞かせながら書いています。
家庭の数だけやり方がある、ということを、資料の数字と、いろいろな家庭の「たとえば」で、そっとお伝えできたらと思っています。


「小1の壁」って、どんなこと?

子どもが小学校に入るのをきっかけに、預け先や帰る時間が変わって、仕事や家のこととの両立がむずかしくなることを、「小1の壁」とよぶことがあります。
たとえば、こんなことが重なりやすい時期です。

  • 放課後の居場所: 学童に入れるか、何時まで預けられるか
  • 帰りが早い日: 入学したての時期や、行事の日など
  • 長い休み: 夏休み・冬休み・春休みは、朝から夕方まで
  • 働き方の制度: 小学校に入ると、法律の上で使えなくなる制度がある
  • 親の出番: 持ち物、提出物、PTA など

働きながら1年生をむかえる家庭は、めずらしくない

厚生労働省の追跡調査(2010年生まれの子が1年生になった2017年に調べたもの)では、子どもが1年生のとき、お母さんの67.2%が仕事をしていました。2001年生まれの子の同じ時期(55.8%)より、11.4ポイント増えています。

同じ調査で、1年生の親に子育ての負担や悩みを聞いたところ(複数回答)、こんな答えがありました。

  • 子どもと過ごす時間が十分に作れない … 24.2%
  • 仕事や家事が十分にできない … 20.5%
  • 子どもの病気などのときに仕事を休みづらい … 15.7%
  • 一時的にあずけたいときの、あずけ先がない … 9.5%

「時間が足りない」「休みづらい」と感じているのは、自分だけではないんだな、と思える数字です。
(親の気持ちのことは「親の心の持ちよう」の記事にまとめています)


1年生は、放課後どこで過ごしている?

同じ調査で、1年生の放課後(下校から午後6時ごろまで)の過ごし方を聞くと(複数回答)、

  • 自宅 … 70.0%
  • 学童保育 … 38.6%(2001年生まれの子のときは25.7%)
  • 習いごと・スポーツクラブ・学習塾など … 31.0%

でした。「月・水は学童、火・木は習いごと、金曜は祖父母の家」のように、曜日によって組み合わせている家庭もありそうです。

学童(放課後児童クラブ)のこと

放課後児童クラブ(いわゆる学童)は、おうちの人が仕事などで放課後に家にいない小学生が過ごす場所です。こども家庭庁のまとめでは、

  • 登録している子どもは 1,602,037人(2026年5月1日の速報値)。前の年より31,392人増えています
  • 学童に通う子のうち、1年生は29.1%、1〜3年生で約8割(2025年5月1日)
  • 平日の終わる時刻が午後6時半より後のクラブは、あわせて約6割
  • 新1年生を4月1日から受け入れているクラブは 98.7%
  • 月の利用料はクラブによって幅があり、いちばん多いのは4,000〜6,000円未満(26.2%)

入れなかったら……と心配なとき

学童に申しこんでも入れない子(待機児童)は、2025年5月1日で全国16,330人。そのうち1年生は1,966人で、待機がいちばん多いのは4年生でした。2026年5月の速報値では、全体で14,713人と少し減っています。待機の子は一部の都県に多く、地域によって状況がかなりちがいます。

年度の後半には、待機の子が減る傾向もあります(2025年10月の速報値では7,363人)。最初に入れなくても、途中で空きが出ることもあるかもしれません。学童以外の居場所を用意している自治体もあるので、困ったときは市区町村の担当の窓口に聞いてみてください。

放課後子供教室という場所も

放課後子供教室は、地域の人などが放課後や長い休みに、学校の空き教室などで勉強や体験活動をする取り組みです。共働きかどうかに関係なく参加できます。くわしくは「相談先と使える制度」の記事にまとめています。

学童を選ぶとき、聞いておくと安心なこと

申しこみの時期や方法は、自治体やクラブによってちがいます。見学や説明会のときに、次のようなことを聞いておくと、春からの生活が想像しやすくなります。

  • 平日・土曜・長い休みの、開く時間と終わる時間
  • 長い休みのお弁当がいるかどうか
  • 利用料と、おやつ代などほかにかかるお金。減額のしくみがあるかどうか
  • お迎えのきまりや、一人で帰ってよいかどうか
  • 子どもの体調が悪くなったときの連絡のしかた

「帰りが早い日」と「長い休み」

入学したての時期は、学校によって、午前中で帰る日や、給食が始まるまで早く帰る日があります。行事や先生方の会議の日なども、下校が早くなることがあります。
学校から配られる行事予定や下校時刻のお知らせで、早く帰る日を先に確かめて、学童や家族と予定を合わせておくと、あわてずにすむかもしれません。

夏休みなどの長い休みは、学校がない分、一日の過ごし方を考えることになります。学童の開く時間やお弁当のことは、クラブによってちがうので、早めに確かめておくと安心です。

1年生がひとりで帰る・ひとりで留守番をするときの安全のことは、「生活と安全」の記事にまとめています。


働き方の制度 ― 小学校に入って変わること

子の看護等休暇は「小学3年生の終わりまで」に広がりました

2025年4月から、「子の看護休暇」は「子の看護等休暇」という名前になり、対象の子が「小学校に入る前まで」から「小学3年生の終わりまで」に広がりました(厚生労働省)。

  • 1年度に5日まで(対象の子が2人以上なら10日まで)。1時間単位でも取れます
  • 使える理由: 子どもの病気やけがの看病/予防接種や健康診断/感染症による学級閉鎖などで子どもの世話をするとき(子ども本人がかかっていなくてもよい)/入学式・卒園式などへの参加
  • 勤めはじめて6か月未満の人を、会社との取り決め(労使協定)で対象外にするしくみはなくなりました。対象外にできるのは、週に2日以下しか働かない人だけです

休んだ日のお給料のあつかいは、会社のきまりで確かめておくと安心です。
子どもの病気のときの家での対処は、子どもの病気のページにまとめています。

ほかの制度は「小学校に入る前まで」が多い

一方で、ほかの働き方の制度は、法律の上では小学校に入る前までの子が対象のものが多くあります。

  • 短い時間で働く制度(1日原則6時間)… 3歳になるまで
  • 残業をしなくてよい制度、残業の時間の上限、夜おそく(午後10時〜午前5時)の仕事の制限 … 小学校に入る前まで

ただ、独自に対象を広げている会社もあります。入学の前後に、会社のきまり(就業規則)を見たり、人事の担当の人に聞いたりしておくと安心です。


持ち物・提出物・PTA ― 親の「宿題」も増える

1年生になると、親がやることも、ぐっと増えますよね。

  • 鉛筆1本1本、算数セットの小さな部品にまで、名前をつける
  • 毎日の連絡帳とプリントに目を通して、提出物をそろえる
  • 体操服や給食着の洗たく、上ばき洗い(持ち帰りのきまりは学校によってちがいます)

名前は休みの日にまとめてつける、プリントを置く箱をひとつ決めるなど、家に合う形を少しずつ見つけていけたらいいのだと思います。

PTAのしくみや活動の量は、学校によってかなりちがいます。仕事や家の事情で、できることとむずかしいことがあるのは当たり前です。係を決めるときに、できる形・できる量を伝えてよいと思います。

学用品やPTA会費などを助けてもらえる制度

就学援助は、経済的な理由で学校に通うためのお金のやりくりが大変な家庭に、市町村が学用品費や給食費などを援助するしくみです。対象や中身は市町村ごとにちがいます。くわしくは「相談先と使える制度」の記事にまとめています。


いろいろな家庭の、いろいろなやり方

「うちはどうしよう」と考えるときのヒントに、いくつかの「たとえば」を書いてみます。どれが正解ということはありません。

  • たとえば、夫婦ともにフルタイムで働いている家庭もあるかもしれません。学童を中心にして、夏休みの何日かは夫婦で交代して休みをとる、という形もありそうです
  • たとえば、パートで働いていて、勤める時間をある程度えらべる家庭もあるかもしれません。学童は週に何日かだけにして、ほかの日は子どもの下校時刻に合わせて仕事を終える、というやり方もあります
  • たとえば、ひとり親で、仕事も家のことも一人で受けもっている家庭もあるかもしれません。身近な人の手を借りたり、利用料の減額や就学援助がないか市区町村に聞いてみたりするのも一つの方法です
  • たとえば、祖父母と一緒に住んでいる、または近くに住んでいる家庭もあるかもしれません。祖父母の家で過ごす日と学童の日を組み合わせて、祖父母にも無理がないようにする形もありそうです
  • たとえば、きょうだいが多く、下の子の保育園と上の子の学童で、お迎えが2か所になる家庭もあるかもしれません。だれがどちらを迎えに行くかを曜日ごとに決めておくと、少し楽になるかもしれません
  • たとえば、転勤で引っ越してきたばかりで、地域のことがまだよくわからない家庭もあるかもしれません。放課後子供教室が、地域の人とつながるきっかけになることもありそうです
  • たとえば、在宅で仕事をしていて、家にはいるけれど、子どもの相手はできない時間がある家庭もあるかもしれません。「この時間までは自分で過ごす時間」と子どもと決めておいたり、習いごとや学童を組み合わせたりする形もあります

1年生の途中で、やり方を変えてもいいんです。最初から完ぺきな形を作らなくていい。しっくりこなければ、子どものようすを見ながら、何度でも組み直していいと思います。


しんどいときに、思い出してほしいこと

うまく回らない日があるのは、あなたががんばっていないからではありません。1年生の親は、親としても「1年生」です。

学童や新しい放課後のリズムにも、1年生は1年生なりに、少しずつなじんでいくのだと思います(ひとりで帰る・留守番のときの安全の決めごとは別で、「生活と安全」の記事にまとめています)。だから、親がすべてをそろえようと思いつめなくて大丈夫。学童、祖父母、会社の制度、市区町村の窓口。頼れる所に頼るのは、楽をすることで、それでいいのだと思います。
くたびれる前に「早めに休む」「早めに頼る」くらいで、ちょうどいいのかもしれません。

そばで見てあげられない「すきま時間」にも、できることはあるのかもしれない。完ぺきでなくても、できる形で関わればいい。そう思えると、少し気持ちが楽になります(このサイトを始めたきっかけは、「親の心の持ちよう」の記事に書いています)。

答えのようなことを書いてしまったかもしれませんが、私も、正解を知っている親ではありません。学童で覚えてきた遊びや、新しい友だちの名前。放課後の世界が広がっていく話を聞けるのも、1年生ならではの楽しみかもしれません。

ひとりで抱えこまずに、相談してもいい場所があります。

  • 担任の先生・学校: 下校の時間、持ち物、PTA のことなど
  • お住まいの市区町村の担当の窓口: 学童の申しこみ・空き状況、放課後子供教室、就学援助
  • こども家庭センター(市区町村): 子育ての悩み全般
  • 会社の人事の担当: 子の看護等休暇や、会社独自の制度

電話相談などの一覧は、「相談先と使える制度」の記事にまとめています。


マルスタディで使えるもの


このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
国や学校などが公開している資料をもとにしています(出典は下にあります)。制度の内容や、学童・学校のきまりは、地域や会社によってちがいます。くわしくは、お住まいの市区町村、学校、勤め先にご確認ください。ひとりで抱えこみそうなときは、市区町村のこども家庭センターなどの相談の窓口も頼ってください。


出典

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