5歳・年長のよくある悩み|文字・友だち・朝の支度・動画…答えは1つではありません
年長の子育てで、よく出てくる悩みを10こ集めました。
文部科学省の委託調査(2020年)では、子育てに悩みや不安のある親にその中身を聞くと、父親でいちばん多かったのは「しつけの仕方が分からない」(44.6%)、母親でいちばん多かったのは「子どもの生活習慣の乱れ」(44.7%)でした。悩むこと自体は、とてもふつうのことです。
この記事では、答えを1つに決めません。家庭の形や、その子の性格で、合うやり方はちがうからです。合いそうなものだけ拾ってください。
このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
国などが公開している資料(出典はページの下にあります)をもとにしています。悩みが長く続くときや、お子さんの様子で気になることがあるときは、園の先生や、かかりつけのお医者さん、お住まいの市区町村の子育ての相談窓口にご相談ください。
1. ひらがなが読めない・書けない
まわりの子が自分の名前を書いているのを見ると、あせりますよね。
国の指針では、年長は文字に「関心が出てくる」時期で、ひらがなの読み書きの学習は小学校1年生の国語で扱います。「入学までに書けなければ」という決まりはありません(詳しくは「成長の目安」「関わり方と学びの指針」の記事に)。
- 興味が薄い子には: 無理にドリルをさせるより、看板や絵本の文字を一緒に読む、名前の文字だけ見つける、くらいで十分なこともあります
- 書きたがる子には: お手紙ごっこや、自分の持ち物に名前を書く場面が、楽しい練習になります
- 共働きで時間が取れない家庭では: 寝る前の絵本の時間に、文字を指で追ってみる、という小さな形もあるかもしれません
ただし、ことばの育ち全体が気になるとき(発音の分かりにくさが続く、言葉で気持ちを伝えにくいなど)は、「発達で気をつけたいこと」の記事も見てみてください。
2. 朝の支度が遅い・「行きたくない」と言う日がある
朝、着替えも食事もなかなか進まない。出かける直前に「行きたくない」。
- 支度が遅い子には: 前の晩に服と持ち物をそろえておく家もあれば、朝の順番を絵や写真で見えるようにする家もあります。タイマーで競争のようになる子もいれば、急かされると固まってしまう子もいます
- 時間に追われる家庭では: 全部を子どもに任せず、「ここまでは自分で、ここからは手伝う」と分けるのも、立派なやり方です
- 「行きたくない」が続くときは: 理由は、眠い・疲れたという日の波から、園での出来事まで、いろいろです。何日も続く、体の不調の訴えが増える、というときは、園の先生に様子を聞いてみてください
3. 友だちとのトラブル・けんかが多い
「意地悪された」「うちの子が手が出てしまった」。どちらを聞いても、心がざわざわします。
国の指針でも、年長は「気持ちを調整して、友だちと折り合いを付ける」ことを学んでいる最中、とされています。トラブルは、その練習の場面でもあります。
- まず話を聞く: 親が結論を出す前に、「どうしたの」と最後まで聞くと、子どもの整理が進むことがあります
- 家で完結させない: 園でのことは、園の先生がいちばんよく見ています。気になることが続くなら、先生に「家でこう話していて」と共有しておくと、園でも見守ってもらえます
- 相手のあることは、親同士で直接やり取りしないほうが落ち着くことも多いです。窓口は園の先生にそろえるのが、無難な形だと思います
4. 動画やゲームばかり見たがる
気づくと動画、止めると不機嫌。多くの家庭の悩みだと思います。
- 時間で区切る家: タイマーや「あと1本まで」など、終わりを見える形にする
- 場所と場面で区切る家: 食事中は見ない、寝る前は見ない、といった線の引き方もあります
- 親が手をはなせない時間の味方にする家: 共働きなどで、どうしても必要な時間に動画を使う家庭もあります。それ自体を責める必要はないと思います。大事なのは、睡眠や外遊びの時間が圧迫されていないか、くらいの見直しです
メディアとのつき合い方の目安は、「生活と安全」の記事にもまとめています。
5. 習いごと、始めたほうがいい?
まわりが習いごとを始めると、「うちも何か」と気になります。
習いごとは、国の指針で求められているものではありません。始めるかどうかは、家庭の事情と、その子の「やってみたい」で決めてよいことだと思います。
- 本人がやりたがるものがある家庭では: 体験だけでも行ってみる、という軽い始め方があります
- 送り迎えが難しい家庭では: 無理に詰め込むと、親のほうが疲れてしまいます。園の生活と遊びだけでも、年長の学びは十分に回っています(「関わり方と学びの指針」の記事のとおりです)
- お金のことも、大事な判断材料です。家計に無理のない範囲で、が先だと思います
6. 夜、なかなか寝ない
寝かしつけに時間がかかり、親の夜の時間がどんどん短くなる。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、3〜5歳の睡眠時間の目安は10〜13時間です(「成長の目安」の記事に)。
- 昼寝がなくなってきた子: 夕方に眠くなって寝てしまい、夜が遅くなる、という循環もあります。園と昼寝の様子を共有してみるのも手です
- 寝る前の流れを決める家: お風呂→絵本→消灯、のように順番を固定すると、見通しが持てて落ち着く子もいます
- どうしても遅くなる家庭では: 「何時に寝かせるか」より「朝、決まった時間に起こす」ほうを先に整えると、少しずつ戻ることもあります
眠れない日が長く続く、日中の様子にも影響が出ている、というときは、かかりつけの先生や窓口に相談してみてください。
7. 好き嫌いが多い・あまり食べない
給食は食べているらしいのに、家では食べない。野菜だけ残す。
- 園で食べているなら: 家では無理に同じ量を求めなくても、という見方もあります。1日単位でなく、数日の合計くらいで眺めると気が楽です
- 苦手なものがある子には: 小さく分けて「一口だけ」、料理のお手伝いで触れる機会をふやす、など、家ごとに工夫の形はちがいます
- 量より、楽しい食卓を優先する家もあります。叱りながら食べる食事は、親も子も疲れてしまいます
体重の増え方が気になる、食べなさが長く続く、というときは、健診の機会やかかりつけの先生に聞いてみてください。
8. 「もうすぐ1年生」に、子どもが不安がる・あまえが強くなった
まわりの大人が「もう1年生だね」と声をかける時期。年長は、期待と不安の両方を受け取る時期でもあります。
あまえが強くなったり、赤ちゃん返りのように見えたりすることもあります。環境が変わる直前に、気持ちがゆれるのは、自然なことだと思います。
- 「1年生なんだから」と急かす言葉を減らしてみる: 励ましのつもりでも、プレッシャーに感じる子もいます
- 不安を口に出せる空気を: 「学校、楽しみ?」だけでなく「心配なことある?」と聞いてみる家もあります
- 学校の側の準備も進んでいます: 入学当初は、園の学びをつなぐスタートカリキュラムで、少しずつ慣れていく前提です(「関わり方と学びの指針」の記事に)。家だけが準備を背負っているわけではありません
9. きょうだいげんか・下の子へのやきもち
年長の子が、下の子に強く当たる。お兄さん・お姉さん扱いをすると、ふくれる。
- 「お兄ちゃんなんだから」を控える家: 年長でも5歳です。あまえたい気持ちと、頼られたい気持ちが、両方ある時期だと思います
- 上の子だけの時間を少し作る家: 買い物に二人で行く、寝る前に少しだけ話す。長くなくても、「自分の時間がある」ことが効く子もいます
- 祖父母と同居している家庭では: 大人の目が多い分、上の子が「いつも叱られる」と感じていないか、家族で見方がそろうと少し楽になることもあります
10. 片づけをしない・自分のことを自分でやらない
出したおもちゃはそのまま。着替えも「やって」。
国の指針の「自立心」は、「しなければならないことを自覚して、自分の力でやり遂げる」体験で育つ、とされています。でも、毎日全部は無理です。
- 「ここまで」を小さく決める家: おもちゃは箱に入れるだけ、洗濯物はかごへ、など、担当を1つに絞る形があります
- 時間のある日だけ任せる家: 平日は親がやり、休みの日に「自分のことは自分で」を練習する、という分け方もあります
- 祖父母が手伝ってくれる家庭では: 「自分でやる場面」だけは残しておく、という家族の約束もひとつの形です
できない日があるのは、どの家も同じだと思います。
悩みが重なって、しんどいときは
悩みは、たいてい1つずつではなく、重なってやってきます。朝の支度、食事、寝かしつけ、仕事。「全部うまくいかない」と感じる日もあると思います。
そんなときは、この記事の答えを全部試さなくて大丈夫です。ひとつだけ、今日できそうなものを。
そして、悩みが長く続くときや、子どもの様子で気になることがあるときは、抱えこまずに園の先生や市区町村の窓口へ。相談先は「相談先と使える制度」の記事に、気持ちの持ち方は「親の心の持ちよう」の記事にまとめています。
わが家のこと
わが家も共働きで、教え方ひとつとっても、夫婦で「その教え方でいいのかな」と迷うことがあります。
うまくいく方法は、どうやら家ごとにちがうようです。だからこの記事も、答えは1つにしませんでした。あなたの家に合う形が、いちばんいい形だと思います。
このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
国などが公開している資料(下の「出典」)をもとにしています。悩みが続くときや、お子さんのことで気になることがあるときは、園の先生、かかりつけのお医者さん、お住まいの市区町村の子育ての相談窓口(「こども家庭センター」など)にご相談ください。
出典
- 文部科学省委託「令和2年度 家庭教育の総合的推進に関する調査研究〜家庭教育支援の充実に向けた保護者の意識に関する実態把握調査〜」報告書(株式会社インテージリサーチ、2021年): https://www.mext.go.jp/content/20210301-mex_chisui02-000098302_1.pdf
- 文部科学省「幼稚園教育要領解説」第1章 幼児教育の基本: https://www.mext.go.jp/content/20230309-mxt_youji-000028051_3.pdf
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」: https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
