5歳・年長の発達で気をつけたいこと|5歳児健診と就学時健診で見ること・相談してよいとき・先生への伝え方
「気をつけたいこと」と聞くと、少し身がまえてしまいますよね。このページは、わが子をチェックするためのものではありません。年長で受ける健診で何を見ているのか、どんなときに相談してよいのか、園の先生や窓口にどう伝えればいいのかを、国の資料をもとにまとめました。
もとは、わが家のために調べたことです。同じように気になっている方にも役に立つかもしれないと思い、おすそわけのつもりで書いています。
このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
国や市区町村などが公開している資料(出典はページの下にあります)をもとにしています。ここに書いてあることで、病気や発達のことを判断することはできません。気になることは、園の先生や、かかりつけのお医者さん、お住まいの市区町村の子育ての相談窓口にご相談ください。
「うちの子、大丈夫かな」と思うのは、あなただけではありません
年長の毎日を見ていると、ふと「これって、この年ごろなら普通なのかな」と考える瞬間があると思います。
ほかの子とくらべるつもりはなくても、園の行事や参観で、つい目がいってしまう。ありますよね。
文部科学省の委託で行われた調査(2020年)で、子育てに悩みや不安を感じると答えた親に、その内容を聞いたところ、「子どもの健康や発達」をあげた人は、父親・母親とも約4割でした。
わが子の育ちが気になるのは、それだけ毎日ちゃんと見ているということなのだと思います。
年中〜年長のころの健診は、主に2つあります
1. 5歳児健康診査(実施している市区町村で)
5歳は、ことばの理解や社会性が高まってくる時期です。こども家庭庁は、この時期に健診を行うことで、子どもの特性に早く気づき、合った支援につなげることを目的として、市区町村が行う「5歳児健康診査」を支援しています。
- 対象: その年度に満5歳になる子(標準的には4歳6か月〜5歳6か月のころ)。学年でいうと、年中の年度にあたります。年長のご家庭では、もう受けていることもあるので、案内や結果を見返してみてください
- 実施: 住んでいる市区町村が行います(国が費用を助成する事業です)。まだ行っていない市区町村もあるので、案内が来るかどうかは、お住まいの地域の母子保健の窓口や広報で確認してみてください
- やり方: 原則として集団健診で、医師・保健師・心理の専門職などが関わります
健診で見ること(一般健康診査の項目)は、次の6つです。
- 身体の発育の状況
- 栄養の状態
- 心の発達(精神発達)の状況
- ことばの障害の有無
- 育児で気になること(生活習慣の自立、社会性の発達、しつけ、食事、事故など)
- そのほかの病気や異常の有無
問診では、「片足で5秒以上立てますか」「しりとりができますか」「順番を待つことができますか」「聞き間違いが多くないですか」といったことも聞かれます(「成長の目安」の記事でも紹介しています)。
健診は「できる・できない」を判定する場ではなく、その子の特性を知って、必要な支援や相談につなげるための場です。結果によっては、専門の相談を案内されることもあります。
2. 就学時健康診断(入学前の全員)
小学校入学の前の時期には、「就学時健康診断」があります。
これは学校保健安全法という法律にもとづいて、住んでいる市区町村の教育委員会が行うものです。入学する年度の初め(4月)から数えて4か月前まで(手続きに支障がなければ3か月前まで)に行うことになっています。
見る項目は、法令で7つ決まっています。
- 栄養の状態
- 背骨(脊柱)や胸のまわりの病気や異常
- 視力と聴力
- 目の病気や異常
- 耳・鼻・のどの病気、皮膚の病気
- 歯と口の病気や異常
- そのほかの病気や異常
結果に応じて、教育委員会は治療をすすめたり、健康についての助言をしたり、入学に向けた助言をしたりすることになっています。
初めて行く小学校で受ける健診に、子どもが緊張することもあります。「目や耳の検査をするんだって」と、前もって話しておくくらいで、少し安心できる子もいると思います。
健診で「気になる点があります」と言われたら
健診のあと、「もう少し様子を見ましょう」「専門の機関で相談してみましょう」と言われることがあります。
お知らせを受け取ると、ドキッとしますよね。でも、健診は「くわしく見たほうがよさそうなところ」を見つけるためのものです。「様子を見ましょう」は、何かが決まったという意味ではありません。
大事なのは、そのあとをつなげることです。
- 言われた内容がよく分からなかったら、その場で聞き直してかまいません
- 「様子を見ましょう」と言われたら、次にいつ・どこで確認すればいいかも聞いておくと安心です
- 紹介された相談先には、無理のない時期に連絡してみてください。相談したからといって、何かが決まるわけではありません
年長は、もともと「ゆれる」時期
相談のサインの前に、ひとつお伝えしたいことがあります。
年長は、園生活にも慣れて「いちばん大きい組」として頼られる一方で、「もうすぐ1年生」という言葉に、子どもなりに緊張したり、あまえが強くなったりすることもある時期です。
できることがふえる時期であると同時に、気持ちの波が出やすい時期でもあります。(体・ことば・心の目安は「成長の目安」の記事にまとめています。)
ですから、「ほかの子とちがう」と感じることがあっても、それだけで何かが決まるわけではありません。
そして同時に、「この年ごろによくあること」でも、親が気になるなら、相談していいのです。どちらか一方に決めなくて大丈夫です。
こんなとき、相談してよいと思います
ここに書くのは、「当てはまったら何かがある」という目安ではありません。親が「ひとりで考えるより、だれかに聞いてみようかな」と思うきっかけの例です。5歳児健康診査の問診でも聞かれる内容を、中心にしています。
体や健康のこと
- 見えにくそう、聞こえにくそう(聞き間違いが多い)など、体のことで気になる様子がある
- 健診で、受診や相談のお知らせをもらった
- 頭やおなかが痛いなど、体の不調の訴えが何日も続いている
ことばのこと
- 発音の分かりにくさが続いている
- 言葉で気持ちを伝えるのが難しそうで、本人が困っている様子がある
園生活や友だちのこと
- 集団の中で、友だちと一緒に過ごすのがつらそうな様子が続いている
- 順番を待つ・きまりを守る場面で、本人がとても困っている
気持ちや行動のこと
- かっとしたり、かんしゃくを起こしたりすることが多く、本人がしんどそうにしている
- 表情や食欲、ねむりなど、いつもの様子とちがうと感じる
そして、親の気持ちのこと
- 親のほうが、気になって眠れない・ずっと頭からはなれない
いちばん大事なのは、最後のひとつかもしれません。
「こんなことで相談していいのかな」と思うようなことでも、相談してかまいません。気になる理由をうまく説明できなくても、「なんとなく気になる」で十分です。
どこに相談すればいい?
相談先は、気になることによって、いくつかあります。
- 園での様子・発達のこと: まずは園の先生。集団の中での様子を、いちばんよく見てくれています
- 体や健康のこと: かかりつけの小児科・眼科・耳鼻科・歯医者さんなど
- 子育てや発達のこと全般: お住まいの市区町村の子育ての相談窓口。「こども家庭センター」という窓口が、多くの市区町村(2026年4月1日時点で85.9%)に置かれています。5歳児健康診査を実施している市区町村では、健診の場も相談の入り口になります
- 入学後の学校生活や、就学についての心配: 市区町村の教育委員会が「就学相談」を行っていることがあります。入学説明会の案内などとあわせて、確認してみてください
- 夜や休日、子どもの急な病気やけがで迷ったとき: 子ども医療電話相談 #8000(かけた都道府県の窓口につながります。受付時間は都道府県によってちがいます)
電話やLINEでの相談先、使える制度は「相談先と使える制度」の記事にまとめています。
先生への伝え方
「相談したいけれど、忙しそうだし、何から話せばいいかわからない」。そう思って、連絡帳の前で手が止まること、ありますよね。
まずは、ひとことで大丈夫
連絡帳でも、送り迎えのときでも、最初は「少し相談したいことがあるのですが、お時間をいただけますか」のひとことで大丈夫だと思います。くわしい話は、そのあと時間を決めてからでもかまいません。
話す前に、メモにしておくと伝わりやすいこと
- いつごろから: 「年長になってから」「先月あたりから」など、だいたいで
- どんな場面で: 朝の支度のとき、友だちと遊ぶとき、文字を書くとき など
- 家での様子: 子どもが言っていたこと、表情、ねむりや食事の様子
- 家でためしてみたこと: うまくいったこと、いかなかったこと
- 先生に聞きたいこと: 「園ではどんな様子ですか」「家でできることはありますか」
全部そろっていなくても大丈夫です。メモがあると、話しているうちに伝えたいことがわからなくなる、ということが少し減ると思います。
「いっしょに見てもらう」つもりで
先生への相談は、だれかを責めるためのものではなく、園と家の両方から子どもを見て、いっしょに考えてもらうためのものです。
園での様子は、家ではなかなか見えません。家での様子も、園からは見えません。両方を持ち寄ることで、「そういうことだったのか」とわかることもあるのだと思います。
先生方も、たくさんのお仕事をかかえながら、毎日子どもたちに向き合ってくださっています。だからこそ、早めに、短く伝えておくと、先生も見守りやすくなるのではないかと思っています。
家庭ごとに、相談のしかたもちがっていい
- たとえば、共働きで日中に電話をかけにくい家庭では、連絡帳で「お話ししたいことがあります」と伝えて、面談の時間を相談する、という形もあるかもしれません。
- たとえば、ひとり親で時間のやりくりが難しい家庭では、まず電話で少しだけ話を聞いてもらうところから始める、ということもあるかもしれません。
- たとえば、祖父母が送り迎えをしている家庭では、気になっていることを家族の中で共有しておくと、先生とのやりとりがスムーズになることもあるかもしれません。
- たとえば、転勤で新しい土地に来たばかりの家庭では、前の園で言われていたことや、前の地域で相談していたことを、新しい園や窓口に伝えておくと安心、ということもあるかもしれません。
どの形でも、「相談したい」と思ったその気持ちが、いちばんの出発点です。
わが家のこと
わが家も共働きで、教え方ひとつとっても、夫婦で「その教え方でいいのかな」と迷うことがあります。
だから、迷ったときに、だれかに「どう思いますか」と聞けることは、それだけで親の気持ちを少し軽くしてくれるのだと思います。相談は、うまくできている親がするものでも、困りきった親がするものでもなく、迷っている親がしていいものなのだと思っています。
年長は、園から学校へ、環境が大きく変わる直前の時期。親の気持ちまで思いつめなくて大丈夫だと思います。
ただ、この記事に書いたような気になるサインがあるときは、「様子を見よう」でひとりで抱えこまずに、早めに相談へ。気持ちは軽く、サインは見のがさない。私はそう分けて考えたいと思っています。
このページは、子育て中の一人の親が、わが子のために調べたことをまとめたものです。先生でも、お医者さんでもありません。
国や市区町村などが公開している資料(下の「出典」)をもとにしています。お子さんの体や発達のことは、園の先生、かかりつけの先生、相談先の説明を大事にしてください。夜や休日、急な病気やけがで迷ったときは、子ども医療電話相談 #8000 もあります。
番号や受付時間は変わることがあります。かける前に公式ページでご確認ください。
出典
- こども家庭庁「5歳児健康診査マニュアル」: https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/0b505d2e-87a3-488b-a78c-46a38fbcf38b/1aa70ee6/20250905_policies_boshihoken_manuals-etc_23.pdf
- こども家庭庁「乳幼児健診に関する取組み」(「1か月児」及び「5歳児」健康診査支援事業について): https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/nyuyojikenshin/
- 学校保健安全法(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000056
- 学校保健安全法施行令(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/333CO0000000174
- 文部科学省委託「令和2年度 家庭教育の総合的推進に関する調査研究〜家庭教育支援の充実に向けた保護者の意識に関する実態把握調査〜」報告書(株式会社インテージリサーチ、2021年): https://www.mext.go.jp/content/20210301-mex_chisui02-000098302_1.pdf
- こども家庭庁「こども家庭センター」ポータルサイト: https://kokasen.cfa.go.jp/about
- 厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)について」: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/newpage_55223.html
