「式は?」と聞いても、無言。
答えだけ、ぽつりと書く。
聞いてみると「なんとなく」と言われる。
お子さんが文章題を解くのを見ていて、こんな経験はありませんか?
これは、お子さんが文章題を 解いていない のではなく、独自のやり方で解こうとしている サインです。
今日はその "なんとなく" の正体を、一緒に見ていきましょう。
実は、文章題は 「読む」だけでは絶対に解けません。
九九が完璧でも、計算が早くても、文章題で詰まる子は本当に多い。
それは、「文章を式に変換するための中間ステップ」が、すっぽり抜けているからなんです。
算数のできる子の頭の中では、文章題はこんな順序で処理されています。
ところが、つまずく子の頭の中はこうなっています。
「文章を絵にする」という、たった一つのステップ。
これがあるかないかで、文章題の見え方が180度変わるのです。
もう一つ、知っておくと一気に立式力が上がるコツがあります。
文章題には、「どの計算を使うか」を教えてくれる合図の言葉があるのです。
| 「あわせて」「ぜんぶで」「ふえると」 | ➕ 足し算 |
| 「のこり」「ちがいは」「へると」 | ➖ 引き算 |
| 「〜ずつ」「〜倍」「〜こずつ」 | ✖ かけ算 |
| 「分ける」「〜人ずつに」「いくつ分」 | ➗ わり算 |
難しい教材は不要です。お子さんと一緒にできる、3つの練習をご紹介します。
文章題が出てきたら、答える前に「絵を描いてみよう」と一言。
簡単な丸や線で十分です。
"絵を描いてから考える" 順序が体に入ると、立式は劇的に変わります。
親御さんが、登場人物ごとに区切って読んであげてください。
「○○くんは~」「先生は~」と、お話のように。
場面が頭に浮かびやすくなります。
「あわせて、はどこ?」「のこりって書いてあるね」と、キーワードを一緒に指さしする。
自分で見つけられるようになるまで、何度でも手伝って大丈夫です。
答えを覚えても、立式の力はつきません。
式を立てるプロセスこそが、お子さんの算数の本当の力を育てます。
"ちゃんと" の意味は、お子さんにはわかりません。
かわりに 「絵を描いてみよう」 と言い換えてあげてください。
はるかに具体的で、お子さんの手が動きます。
お子さんが文章題を見たとき、自然に鉛筆で図や絵を描き始めたら、それは大きな前進です。
「これはあわせる問題だ」「これは分ける問題だ」と、自分で言えたら万全です。
ここから先は、4年生の「式と計算の順序」、5年生の「割合」、6年生の「比」──。
すべての算数は、「文章を絵に変換する力」が土台になっています。